アートなプチ旅南陽市・高畠町



アートなプチ旅第2回目は南陽市・高畠町編。次の作品をご紹介します。

   \崚魃慇沼Δ離皀縫絅瓮鵐 〜 △┐ぼプラザの石のオブジェ 〜
   まつかわカッパ公園の板碑 〜 す眸町庁舎通り商店会のレリーフ 〜
   ゾ赦賊鏃襪喞未蠅寮仭 〜 高畠町文化ホールまほらのブロンズ像 〜
   Г舛腓辰抜鵑蠧擦錬複匚眸駅周辺


1 飛翔 〜赤湯駅西側のモニュメント〜


鶴の恩返し伝説をモチーフにしたモニュメント
「飛翔」
 JR赤湯駅西側の広場に設置されているモニュメントは、「飛翔」と題されたもの。寄り添うように立っている3本の石柱と、パイプのような物を素材にしたモニュメントです。
 南陽市内に伝わる鶴の恩返し伝説をモチーフにした作品で、鶴を表現しているのだそうです。3.75mの高さの作品を下から仰ぎ見ると、パイプの部分が形づくる姿はまさに大空を優雅に羽ばたく鶴のように見えます。
 南陽市によると、このモニュメントは1990(平成2)年まで実施されていたふるさとの顔づくりモデル事業の一環として設置されました。
 駅から西向きにのびる通りは「シンボルロード」と名づけられ、市民の憩いの場として親しまれています。南陽市出身童話作家の結城よしを氏の歌碑もあれば、ラ・フランスを模した石の置物などもありますので、のんびりウォーキングしながら景観を楽しんでみてはいかがでしょうか。

2 知の森の入り口で 〜えくぼプラザの石のオブジェ〜


石のオブジェ
「知の森の入り口で」
 開湯900年の歴史があり、山形県屈指の温泉街がある南陽市赤湯地区の文化施設・えくぼプラザ。その入り口階段に設置されている石のオブジェは、同地区出身の彫刻家・高橋朗(たかはしあきら)氏が手がけた「知の森の入り口で」という作品です。
 高橋氏は同プラザのほか、赤湯温泉観光センター「ゆーなびからころ館」や南陽市内の幼稚園などにも作品を寄贈しており、2009(平成21)年には南陽市表彰を受けています。
 作品解説には「図書館や生涯学習の場である当施設は多様性を秘めた知的活動の森に似ている。英知のシンボルと森の番人としてのフクロウを重ね合わせたイメージで制作されたこの彫刻は入り口で知の森の案内役として訪ねる人を迎えてくれる」と記されています。その姿は7万冊を超える蔵書数を持つ同施設の水先案内人のようです。
 高橋氏の作品を見て歩き、汗をかいたら赤湯温泉でリフレッシュする、というのもグッドアイデアですね。

3 阿弥陀板碑 〜まつかわカッパ公園の板碑〜



公園整備工事の過程で出土した板碑
 国道13号糠野目橋の西側にある最上川河川敷、糠野目緑地(通称まつかわカッパ公園)駐車場=高畠町糠野目=の一角に、「板碑」と記された見慣れぬ看板が。その隣には石碑のようなものがあり、一体何なのだろうと考え込んでしまいます。
 これは、2001(平成13)年に行われた国による公園整備工事の過程で出土した石碑で、鎌倉時代のものとみられています。阿弥陀如来(あみだにょらい)を意味する梵字が刻まれているそうですが、一体どのような役割を持った石碑だったのでしょうか。
 この公園には散策路や芝生広場、遊具広場、多目的グラウンドなどが整備されているので、のんびり休んだり、水辺の生き物を観察したりしてはいかがでしょうか。

4 童話のレリーフ 〜高畠町庁舎通り商店会のレリーフ〜


童話の一こまが再現されたレリーフ
 高畠町役場=高畠町高畠=の前を東西に走る主要地方道高畠・川西線。その歩道上をふと見上げてみると、街路灯に付随して掲げられたレリーフがあることに気づくはずです。高畠町は“まほろばと童話の里”として知られており、これは世界の童話の一こまがひとつひとつ切り絵タッチで再現されたものなのです。
 高畠町庁舎通り商店街振興会が「花とメルヘン」をテーマに掲げた企画の一つで、東北芸術工科大学にデザインを依頼しました。
 切り取られた場面は「夕鶴」「おおきなかぶ」「猫の宮」「長ぐつをはいたネコ」「赤い蝋燭と人魚」など全部で35種類。もちろん、地元出身の童話作家・浜田広介(はまだひろすけ)氏(1893〜1973年)の作品をモチーフにしたものもあります。
 カメラ付き携帯電話で写真を撮っている人も少なくないそうで、人気のスポットに。どんな童話があるのか一枚一枚探し歩くのも楽しそうですね。数百メートルにわたって設置されていますが、夢中になるとあっという間。レリーフを追いかける際には足元に十分ご注意くださいね。

5 広介童話の石像 〜昭和縁結び通りの石像〜


浜田広介童話をモチーフにした石
 高畠町から切り出される凝灰岩(ぎょうかいがん)等は、高畠石と呼ばれて製品用に使われていますが、その高畠石でつくられた石像10体が、町内の昭和縁結び通りの商店街に並んでいます。広介童話の名作をモチーフに高畠石の柔らかな風合いで表現されており、地域の歴史と文化が融合した作品といえるでしょう。
 同町には、石橋の幸橋(さいわいばし)をはじめ、竜樹院(りゅうじゅいん)の大日如来石仏、厳島(いつくしま)神社の石鳥居、旧高畠駅など、高畠石を用いた建造物が残っているほか、高畠町郷土資料館=高畠町安久津=には高畠石の標本や石を切り出す道具が展示されています。
 同町の歴史と深く関わる高畠石の文化を広く情報発信しようと、高畠昭和縁結び通り振興会が企画、引地(ひきち)石材店が作品を制作し、同地区に寄贈しました。
 写真は勢至観音堂(せいしかんのんどう)前にある「じぞう様とはたおり虫」です。もちろん「竜の目の涙」や「泣いた赤おに」など、広介氏の代名詞と言える作品に関するものもそろっています。
 このほかにも、犬の宮、猫の宮にちなんだ同振興会のロゴマーク「タマちゃん」の石像8体が物語形式に設置されています。タマちゃんが観音様に縁結びをお願いし、淡い恋心が芽生えていくというストーリー。物語の結末は、実際に通りを訪れて確かめてくださいね。
 近くには、昭和30年代をテーマにしたミニ資料館や、長さ4mもある大わらじが奉納されている竜樹院大日如来石仏などがあり、見どころ満載。昭和縁結び通りでお買い物をしながら、昭和レトロの街並みと広介童話の石像を楽しんでいきましょう。

6 存在のしかた 〜高畠町文化ホールまほらのブロンズ像〜


高畠町出身の彫刻家・鈴木実氏の作品
「存在のしかた」
 高畠町文化ホールまほら=高畠町高畠=の西南角の芝生内に立つブロンズ像。これは高畠町出身の彫刻家・鈴木実(みのる)氏(1930〜2002年)の作品で、タイトルは「存在のしかた〜私自身が広場に立つ時〜」です。
 3作品が並んで設置され、一番大きいもので高さ約215cm、横約55.6cm。ズボンのようなデザインの表面に浮き立つしわの質感はまるで本物の生地のようです。間近で見てその質感を確かめてみてください。
 鈴木氏は、アートなプチ旅第1回でご紹介した「住之江橋のブロンズ像」の作者である米沢市出身の彫刻家・桜井祐一氏に師事し、平櫛田中賞など受賞しています。ホール入り口にも作品があるほか、米沢市の上杉神社境内にある上杉謙信公像も鈴木実氏が手がけた作品です。師匠と弟子の作品を一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか。


7 ちょっと寄り道。 〜JR高畠駅周辺〜



糠野目緑地駐車場にたたずむ河童の石像
 温泉施設が併設された駅として有名なJR高畠駅=高畠町山崎=。駅を出て足元に目を落とすと、切り絵風に描かれた赤鬼のパネルが地面に埋め込まれ、「まほろばの里たかはた」の文字が。さらに歩を進めると「竜の目の涙」などの童話をモチーフとしたパネルが、「犬の宮猫の宮6.5km」「観音岩14.6km」「亀岡文殊4.8km」「まほろばの緑道入り口」などと、高畠の観光スポットを案内しています。
 さらに、近くにある駅前広場には河童の石像が。そういえば糠野目緑地駐車場にも河童の石像がありましたよね。高畠町では毎年、河童みこしが繰り出したり、長いかっぱ巻きを作ったりする、まほろば河童まつりが開催されています。さすが高畠町、伝説の河童と出会う確率がとても高いですね。



《アートなプチ旅 その3につづく》





○掲載日  平成22年11月

○執筆者  大竹 茂美(置賜文化フォーラム事務局)


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